第10回植物園セミナー・レポート 水元公園
(東京都葛飾区)
2007年6月2日 その1/2
今回の参加者は総勢21名でした。毎回、いろんなみなさんとお会いして、緑のなかを歩くのはとても楽しくて、あっという間に過ぎてしまいます。今回もずっとウキウキで過ごすことができました。本当にありがとうございました〜。
水元公園の面積は81.7万平方メートル。葛飾区最大の公園は菖蒲の公園としても有名で、1万株80品種20万本の花が咲いていました。今回もまた、お天気に恵まれたお散歩日和。水辺の公園の風はとても気持ちがよかったですよぉ。菖蒲祭りも開かれていました。
回を重ねるごとに、講師の染野さんの解説はますます冴え渡ってまいりました。あまりの上手さに、公園を歩かれていた方、何人かに、「どんな集まりなんですか?」とか、「この解説を聞くには、どうしたらいいですか?」などと質問されました。

途中から、私たちに混ざって聞かれていかれた方も何名かいらっしゃるほどの人気ぶりです。

落語に歴史、いろんなものに精通しているうえに、愉快で明るい名解説は最高です!!
参加されるみなさんも毎回、メモを取られたり、質問したり、写真を撮ったり、とっても熱心なんです。
ちなみに、染野さんの左側でメモを取られていたFさんによると、3時間で55種類もの植物について説明があったとか……
メモするみなさんにも、講師の染野さんにもホントに頭が下がります。
北海道にはハルニレの巨木がありますが、こちらはアキニレの木。

両方ともニレ科ニレ属ですが、ハルニレは温帯の樹木。アキニレは暖帯の樹木で、本州中部以西に分布するそうです。

それにしても、公園内はさまざまな新緑にあふれていて、とてもきれいでした。自分の目まできれいになったような感じがしてしまいました〜。
ショウブとアヤメ、カキツバタ、ハナショウブの違いについて詳しく説明していただきました。(※それぞれの違いについては、2005年6月の神代植物園セミナーレポートP1をご覧ください)
新宿御苑で見たことのある気根がでるラクウショウです。枝が羽に見えて、それが秋に落下することから落羽松といいます。この木の針葉は涼やかで本当にきれいな緑。目まで染まりそうです。
ウツギより小さな花が咲くヒメウツギ。花1つは5ミリに満たないくらいのかわいらしい大きさなんです。ウツギの仲間はたくさんありますが、いまの季節、山に行くとウツギの白い花がとても目を引きます。
ガクアジサイは中心にたくさんある小さなのが花で、その周囲に花に見えるようなのはじつは装飾花。それが額縁のように周囲を覆っているのでこの名前が付いたそうです。額紫陽花と書きます。
みなさんよくご存知の雑草ヒメジオンです。春に咲く紫苑(しおん)という意味からつけられた名前のハルジオンとともに、北米原産の帰化植物で、こちらは姫紫苑と書きます。

ハルジオンとヒメジオンはよく似ていますが、前者は茎が中空なのに対して後者は白い髄(ずい)が入っていることで区別できます。

さらに、ハルジオンのつぼみは下向きにつくのに対して、ヒメジオンは上向きにつくという違いもあるということです。
こちらもお馴染みのペンペングサ。ペンペングサとは春の七草でもあるナズナのことです。
揺らすと音がする種子が、三味線のバチの形に似ていることから「ペンペーン」と鳴らすという意味でこの別名がつけられたとは、染野さんに聞くまで知りませんでした。
午後に咲いているなんて珍しいスイレンだなぁと思ったら、未(ひつじ)の刻(午後2時)に開花することからヒツジグサと名づけられているそう。花は6月頃から咲き始め、秋までと花期が長く、数日間開閉を繰り返すんだとか。強い日差しを受けた白い花は輝いているみたいでした。
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