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日本よりも15時間遅れのコスタリカ。時差で早く目が覚めてしまうので、朝食は6時。国立劇場に面したテラス席もあるホテルのレストランは窓ガラスのないカフェスタイルで、屋外の心地よい風が入ってきます。12月から乾期になったコスタリカは暑いかと思いきや、半袖では寒いくらい。とくにサンホセは標高1,170mの山岳地帯ですから、1月の平均気温は22℃。日本でいえば6月くらいの気候でしょうか。

2日めのこの日は、7時にサンホセのホテルを出発して、2時間ほどバスに揺られて、セロ・デラ・ムエルテへ。セロ・デラ・ムエルテはケツァールが見られる場所として有名なところ。途中で、標高3,000mの森にあるCipresilloという巨樹を見に行きました。霧が出ているかと思えば、突然晴れたり、曇ったり……。緑のクレーター湖がある標高3,432mのイラス火山や昔の首都・カルタゴの街を見下ろしたり、森林限界を通ったかと思えば、アジサイが咲き、シダが生える場所を抜けたりと、景色や植生がどんどん変わるので、バスに乗っていても飽きることはありません。
ご覧のとおりの青空。みなさん早く起きて、ホテルの周囲を散歩しながら写真撮影していらっしゃいました。
ホテルの庭には見たことのないきれいな黄色の花が咲いていました。これはタベブイアあるいはイッペーの花(Tabebuia ochracea)。ツアー後半に、この花を枝いっぱい満開に咲かせたすご〜い木を見つけました。
森へ向かう途中には、ノボタンの仲間の小さなピンク色の花が咲いていました。現地名メラストマ(Melastoma)、学名Monochaetum vulcanicum
巨樹のある雲霧林へと少し登ってきました。屋久島と同じ雲霧林ですが、ここは標高が高くても熱帯雲霧林。大きなシダも生えていて、気持ちのいい森です。
雲霧林ですから、森には潤いがあり、木には着生木や苔がついています。遠目で見たら赤い花? と思ったこれもパイナップルの仲間の着生植物でした。
下村さんとローカルガイドさんに、コスタリカ原産の薬草などを教えてもらいながら歩いていると、まずは1本目のCipresillo(左)を発見しました。
Cipresilloの葉です。Cipresilloは現地名で、英名はPodocarp。和名はマキ科のアブラマキというそうです。
この森には2本の巨樹を見るためだけに立ち寄ったのに、私たちはなんと1本目の巨樹のところでもうケツァールに会ってしまいました。あんまりラッキーでびっくりです。「あれっ、ケツァールじゃありません?」という形山さんの声が最初は信じられなかったくらい。下村さんのテレスコープでその姿を確認しながらも、ただただもう、みんなでびっくりするばかりでした。
結構、大きいのですが、着生植物がありすぎて大きさが伝わりにくい木です。
望遠鏡にデジカメを押し付けて撮ってみました。
ケツァールまではほんの15mくらい。案の定、リトルアボカドの木で実を食べていました。
手塚治虫さんの『火の鳥』のモデルになったというケツァール。私たちの目の前を通って飛んでいくときには、火の鳥のように体からキラキラとした星が落ちるみたい。輝いて見えました。
地元のガイドさんが拾ったケツァールの羽を見せてくれました。オスの尾羽は1mもあって、蛍光グリーンに輝いていました。
この森にはケツァールが大好きなリトルアボカドの実がたくさん落ちていました……!?
予期せぬケツァールとの出合いに興奮覚めやらぬまま歩き出したら、すぐ近くにこんな巨樹が見えて、またまたみんなでびっくりです。
今度は威厳ある巨樹を見て、大興奮!!  巨樹と一緒に写真を撮ってもらおうと、あっちでもこっちでも撮影が始まりました。
幹がうろになっていて、このなかでピューマが雨宿りしたといわれています。とにかく大迫力。いまにもピューマが出てきそうな巨樹でした。
●現地名/Cipresillo
(学名/Podocarpus oleifolius、英名/Podocarp、和名/マキ科シシン)
●幹周り19m

幹周りを測ったり、それぞれ撮影したり、絵を描いたり。やっと落ち着いたところで、ツアー最初の記念撮影です。前列左側がローカルガイドさんとそのお子さんです。ケツァールも巨樹も見て、みなさん、とっても満足気でしょう!!
森からの帰り道もみなさんずっと夢中です。輝くような色でちっちゃくてかわいらしいハチドリを見つけるたびに、双眼鏡で覗いたり、ビデオを回したり、撮影したり……。まだ、2日目の午前中だけなのにいろいろ見てしまい、この先どうなるか心配なほどでしたぁ。
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